2012年12月7日

創造力の底力

 創造力とはそれまでなかったものを作り出す力ですが、その底力はどこからくるのかがずっと疑問に思っていました。
 アイディアの萌芽の出し方はブレインストーミングや発想法などで何冊も本が出たり、ネットの情報で流れたりしています。ですが、アイディアのままでは役に立ちません。それを実際に形にする力というのはまた別のものです。それはどのように身に着けて、培っていくのか。私の中でまだ答えは出ていませんが、そのヒントとなるサイト、本を見つけたので紹介させていただきます。
 
 前田建設ファンタジー営業部
http://www.maeda.co.jp/fantasy/
 前田建設ファンタジー営業部とはアニメ、マンガ、ゲームといった空想世界に存在する、特徴ある建造物を本当に受注し現状の技術および材料で建設するとしたらどうなるかという前代未聞のプロジェクトです。
 最初のプロジェクトの依頼はマジンガーZ格納庫兼プール(後で汚水処理場だと判明)建築という大型工事の依頼をされます(ちゃんと入札区分競争までして、他社と受注を争うという徹底さです)。
 なにをどのようにどうやって作るのかを考えるブレーン・ストーミングから始まり、アニメをみてマジンガーZの実際の大きさや施設の大きさを図って実際の建築物。立地の選定や、土木設計部での立坑の掘り方、果てはアニメ内での天井板や排水設備の概算まで出します。またマジンガーZの敵である機械獣に襲われたときに壊れないような設計であるため、土木構造物の耐震設計まで計算に入れたりとにかく費用が掛かる可能性のあるところは徹底的に洗い出します。
 ラストで公費の見積もりを提出するところでは、ただのエクセルのシートであるはずなのに、感慨深いものがあります。

 この他にも銀河鉄道999の地球発信用高架橋やグランツーリスモ4のサーキット、機動戦士ガンダムの地球連邦軍基地ジャブローなどアニメ、ゲームファンなら一度は驚愕したであろう建築物を次々と検討していきます。アニメゲームファンはもちろん、大なり小なりプロジェクトに関わってきた方にオススメです。
 このプロジェクトが立ち上がった目的は大手ゼネコンの建設会社の悪いイメージを払拭するために、実際に建設会社とは具体的にどんな仕事をしていて、なにに知恵を絞ってお金を稼いでいるかを、広く一般の人々に知ってもらうためだということです。
 前田建設工業株式会社が創業から何十年という時間と多くの実績を積み重ねてきた、知識と経験があるからこその架空の工事であったとしても生まれるリアリティがあり、そこに創造力の底力をみました。